ケニア控訴院が映画ラフィキの上映禁止を違法判断
2026年1月23日、ケニア控訴院は同国の著名な映画「ラフィキ」を巡る長期訴訟において、ケニア映画分類委員会(KFCB)が2018年に下した全国的な上映禁止命令について、同国憲法に照らして合理性を欠き違憲であるとする歴史的な判決を言い渡した。この司法判断により、映画の制作者およびワヌリ・カヒウ監督は「映画および演劇法」に基づく正式な審査申請を再提出することが可能となり、国内での一般劇場公開に向けた法的な道筋が開かれた。
本作は、首都ナイロビで暮らす2人の少女の友情が純粋な初恋へと深まる姿を描いた恋愛物語である。2018年にはケニア映画として初めてカンヌ国際映画祭の公式部門に選出され、国際的な批評家から高い評価を獲得した。しかし、刑法により同性間の性行為が違法とされているケニア国内において、政府管轄の分類委員会は結末が幸福に描かれていることを理由に「違法行為を助長している」と主張して全面禁止を決定し、これに対抗する制作陣が8年間に及ぶ法廷闘争を展開していた。
控訴院は判決文の中で、芸術作品において同性の恋愛関係を描写することは違法な行為を助長することには当たらないと明確に指摘し、行政機関による恣意的な検閲の根拠を退けた。ただし、今回の判決は「ラフィキ」の上映手続きを可能にするにとどまり、ケニア国内で同性愛を犯罪とする刑法条項が撤廃されたわけではない。性的少数者に対する法的な制約は依然として維持されており、「アイ・アム・サミュエル」などの他の同性愛関連作品は現在も上映禁止の対象となっている。
分析によれば、今回の司法判断はアフリカ映画が公的な検閲制度と対峙し、表現の自由と多様性の可視化を模索する上で重要な転換点になるとみられている。従来、アフリカにおける性的少数者の物語は国際映画祭や海外市場でのみ評価され、国内で遮断されるという構造的な断絶が存在していた。司法が行政の過度な規制を憲法に基づいて是正したことは、自国の観客が複雑で誠実な物語を受け入れる土壌を拓くとともに、厳しい環境下で創作活動を続ける新世代の芸術家に制度的な後ろ盾を与える契機として高く評価されている。
アフリカ編集部:イマニ・マケナ
資料出典
ケニア映画分類委員会「映画および演劇法」公式概要:https://kfcb.go.ke/




