米、トランス未成年医療の公費を遮断

この画像はイメージであり、記事内容とは直接関係ありません。画像出典:Los Muertos Crew
10月13日、米メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)の新規則が発効した。各州は連邦メディケイド資金を、18歳未満の青少年の性別違和を治療する「性別否定施術」(思春期ブロッカー、ホルモン、まれな外科手術)に使えなくなる。児童健康保険プログラム(CHIP)の19歳未満も同様だ。すでにホルモン治療中の患者には最長6か月の漸減期間が設けられたが、ブロッカーと手術に移行期間はない。これは禁止ではなく資金制限であり、各州は州費での継続が可能。ワシントン州とオレゴン州は継続を表明した。CMSが8月に規則を公表した際、約3万5000件のパブリックコメントが寄せられ、9割超が反対だった。
病院への圧力も並行して強まっている。9月18日、NYUランゴン・ヘルスとピッツバーグ大学医療センター(UPMC)はそれぞれ850万ドル、95万ドルで米司法省と和解。18歳未満への治療停止と引き換えに、民事・刑事の捜査終了と、大陪審召喚状による患者記録の差し押さえからの保護を得た。5月以降、クリーブランド・クリニック、コネチカット小児病院、マウントサイナイ、テキサス小児病院も同様の和解に達し、合計少なくとも6つの大病院に上る。各病院は不正を否定し、小児メンタルヘルスや18歳以上の治療に影響はないとしている。昨年、連邦当局は20超の病院を調査対象とし、フィラデルフィア小児病院(CHOP)やデラウェア州のネムール小児医療に、医療詐欺審査のためのトランス青少年の機密記録の提出を求めた。UPMCの件では連邦地裁が今年3月に司法省の要求を退け、司法省は8月に控訴を断念した。
「連邦政府がある特定の人々の医療を政治化して終わらせることが許されるのは、実に危険な前例だ」とジェンダー解放運動の共同創設者エリエル・クルーズ(Eliel Cruz)は述べた。21州とワシントンD.C.は9月2日、規則の差し止めを求めて提訴した。法廷で患者記録を守り抜いたCHOPは、司法省と交渉中かとの問い合わせに回答せず、ネムールはコメントを拒否した。トランス人権の擁護者は、強まる法的・政治的圧力が「恐怖の雰囲気」を強めていると指摘する。病院側の弁護士やLGBTQ法務団体は、法廷で規則に異議を唱える構えだ。
分析者は、これをトランプ政権による未成年の性別肯定医療制限の多面作戦の一環とみる。2025年1月の大統領令、2025年12月の規則案、議会の関連法案と段階的にエスカレートしてきた。すでに半数超の州が州法で制限する中、連邦は依然合法な約23州に手を伸ばした。メディケイドは米国の子どもの約半数をカバーするため、資金のてこの影響は紙面をはるかに超える。州費で穴埋めする州(継続を州法で義務づけるオレゴン)と、そのまま従う州(コロラド、ミシガン)に分かれ始めている。依然合法な州では、低所得家庭のトランス青少年が連邦と州の対立のしわ寄せを真っ先に受けることになる。
ノースアメリカ編集部:リアム・スミス
情報源:フィラデルフィア・インクワイアラー、ロイター、AJMC、Gender Justice League、NDTV、OUT FRONTおよび公開報道(情報提供:フィラデルフィア・インクワイアラー)
参考リンク:
https://www.reuters.com/legal/litigation/two-hospital-systems-settle-us-probe-over-transgender-care-billing-95-million-2026-09-18/
https://www.ajmc.com/view/cms-rule-ends-medicaid-chip-funding-for-pediatric-gender-care
https://genderjusticeleague.org/transyouthcare/
https://heraldpioneer.com/2026/10/12/oregon-retreats-from-enforcing-landmark-trans-health-care-coverage-mandate/
https://www.ndtv.com/world-news/hospitals-refuse-treating-transgenders-under-19-in-a-deal-with-trump-office-12084532/amp/1
https://outfrontmagazine.com/nyu-langone-and-upmc-end-gender-affirming-care-for-minors-after-doj-settlements/






