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米最高裁が受刑者の性別適合医療制限を却下

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青空の下の米連邦最高裁判所庁舎正面

この画像はイメージであり、記事内容とは直接関係ありません。画像出典:Mark Stebnicki

2026年10月21日、米連邦最高裁判所はドナルド・トランプ政権が提出していた緊急の申し立てを退け、連邦刑務所に収容されているトランスジェンダー受刑者への医療処置を制限する新方針の執行を認めない決定を下した。最高裁は詳細な理由を示さない簡潔な命令によって下級審の差し止め命令を維持し、保守派のクラレンス・トーマス判事とサミュエル・アリート判事の2名のみが政権側の請求を認める立場であったことを付記した。現在、米国の連邦矯正施設には約1000人の当事者が収容されており、今回の判断によって従来の医療措置が継続されることとなった。

問題となっている規制は、性別を不変の生物学的区分のみに限定するよう連邦機関に命じた2025年1月の大統領令に基づき、連邦刑務所局が過去18カ月間に順次発表していたものである。同局は1992年以来提供してきたホルモン治療などの枠組みを覆し、性別適合手術やホルモン投与、さらにはかつらや化粧品といった社会的な配慮措置を全面的に廃止し、精神科のカウンセリングや抗うつ薬の処方のみに限定する方針を打ち出していた。これに対し、長年ホルモン治療を受けてきたアリシア・キングダム氏ら受刑者団が合衆国憲法修正第8条の「残虐で異常な刑罰の禁止」への違反などを理由に提訴した。連邦地方裁判所のロイス・ランバース判事は2026年初頭、政府が内部の医療専門家の根拠を一切示さずに方針を転換したのは大統領令に迎合するための口実に過ぎないとして執行を差し止め、同年9月にはコロンビア特別区連邦巡回区控訴裁判所も2対1の評決で政権側の不服申し立てを棄却していた。

今回の最高裁の決定を受け、原告代理人を務めるアメリカ自由人権協会の弁護士であるリー・ノウリン・ソール氏は、収容者に対して医学的に必要なケアを拒否することは基本的権利の侵害であると指摘し、決定の意義を強調した。一方、ホワイトハウスのアリソン・シュスター報道官はこの命令を常識の敗北と批判し、ジョン・ザウアー訟務長官も裁判書類において下級審が行政機関の政策判断を不当に置き換えていると反論している。

分析によれば、保守派判事が6対3で多数を占める最高裁において、今回の判断は当事者の権利擁護派にとって極めて重要な司法上の勝利とみられている。同最高裁は2025年に未成年者への性別適合医療を禁じる州法を支持し、2026年6月にも女子スポーツへの参加制限を合憲と判断していたが、今回の却下決定は、30年以上にわたり継続されてきた行政実務を科学的根拠なしに覆すことに対しては、保守派を含む司法の場においても厳格な手続き的審査が働くことを浮き彫りにしている。

ノースアメリカ編集部:リアム・スミス

出典:米連邦最高裁判所決定録およびアメリカ自由人権協会の発表を総合

資料出典:

米連邦最高裁判所公式命令アーカイブ

コロンビア特別区連邦巡回区控訴裁判所公式記録

米連邦刑務所局公式政策データベース

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