米7州の中間選挙住民投票で性的少数者の権利が争点に

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2026年秋、米連邦議会の勢力図と主要州知事のポストを左右する中間選挙が終盤戦を迎える中、全米7州の住民投票において性的少数者、とりわけトランスジェンダーの若年層に直接影響を及ぼす重要法案が相次いで有権者の審判を仰ぐこととなった。2021年以降、全米の半数以上の州が性自認に沿った学校スポーツへの参加を禁止し、27州が未成年者への性別違和医療を禁じる法整備を進めてきた経緯がある中、今回の選挙では関連する住民投票法案の約半数がトランス生徒の競技資格制限に集中している。
制限的な法案が上程されたのは、アリゾナ、コロラド、ミズーリ、ネブラスカ、ワシントンの各州である。アリゾナ州では連邦控訴裁に差し止められた2022年制定法を復活させ、出生時の生物学的性別によるスポーツ選考や更衣室利用の制限を企図する法案の是非が問われる。コロラド州では生殖器系に基づく競技区分導入や未成年の移行手術および保険適用を禁止する案に対し、コロラド州医学会など主要医療団体が「医療判断は診察室で行われるべきだ」として明確な反対を表明。ネブラスカ州では女子競技への排除を明記する州憲法改正案の適法性が州最高裁で争われており、ワシントン州では女子選手に対する侵襲的な医学的確認を義務付ける法案や保護者の権利を理由とした情報開示案が提出され、著名な元サッカー選手ミーガン・ラピノー氏らが強い批判を展開している。さらにミズーリ州では中絶規制の見直しと連動する形で、未成年への医療禁止が州憲法に盛り込まれようとしている。
一方で、直接民主主義の枠組みを活用して包括的な権利保護を州憲法に刻み込もうとする動きもみられる。バーモント州では、人種や民族、障害、性別とともに性的指向や性自認、ジェンダー表現に基づく差別を包括的に禁じる「平等権利修正条項(ERA)」の憲法明記が投票に付される。またバージニア州では、2006年に州憲法に規定されたまま無効化していた同性婚禁止条項を正式に撤廃し、成人間における法的な婚姻の権利を性別に関わらず能動的に保障する憲法改正案が最終判断を迎える。ワシントン州でもボブ・ファーガソン知事をはじめとする民主党指導層が、生徒のプライバシーを脅かし家庭内での孤立を招きかねない住民提案に対して警戒を呼びかけている。
法制および政治力学の観点から分析すると、7州で一斉に行われる住民投票は、米国の州レベルにおける人権保障の二極化と直接請求制度の戦略的活用を如実に反映している。議会での立法協議を経ることなく有権者署名を通じて強硬な制限規範を州憲法へ固定化しようとする保守派の攻勢に対し、進歩派は州最高位の基本法に防衛条項を組み込むことで連邦最高裁の動向に備える姿勢を強めている。11月の投票結果は、何万人もの当事者生徒の教育環境と医療へのアクセスを左右するだけでなく、今後の全米における人権立法と司法判断の趨勢を方向付ける決定的な試金石となる。
ノースアメリカ編集部:リアム・スミス
出典:全米各州選挙公報および『The 19th』調査報道を総合
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