オランダ・LGBTQ が語る日常の偏見

画像出典:hetparool~instahrim
2026年10月、オランダの日刊紙 Het Parool は公式 Instagram で肖像シリーズを公開した。アムステルダムに暮らす LGBTQ の当事者 5 人にカメラを向け、「オランダ人の見る目が厳しくなるなか、日常はどんな感じか」を語ってもらう企画だ。撮影は写真家のエルンスト・コッペヤンス。
投稿の文章は率直だ。「LGBTQ に対するオランダ人の見方は、ますます否定的になっている」。紫の背景の前で、5 人が一人ずつ、まっすぐカメラを見つめる。一人は最悪の出来事を振り返る。通り全体が見守るなか、集団に付きまとわれ、罵声を浴びせられながら歩かされた。人前での屈辱は、今も消えないという。
この企画の背景には確かな数字がある。2026年9月、ユトレヒト大学とトリンボス研究所が 4 年に一度の HBSC 若者調査を発表。2021 年から 2025 年にかけ、オランダの若者の同性愛への受容は急落した。肯定的な見方をする男子は 40% から 22% に、女子は 78% から 51% に落ち込んだ。ロブ・イェッテン首相は「衝撃的な数字」と述べ、LGBTQ 団体 COC ネーデルラントも「警戒すべき後退」と学校や SNS 事業者に対策を求めた。
オランダはかつて LGBTQ の権利で世界をリードし、2001 年に同性婚を世界で初めて合法化した国だ。潮目は変わり、偏見はネットの罵り合いから日常生活に染み出している。この肖像シリーズの価値は、冷たい統計を生身の人間に戻したことだ。偏見はグラフの曲線ではなく、誰かがドアを出るたびに向き合う視線と罵声なのだ。権利は、決して「取り終えた仕事」ではない。
ヨーロッパ編集部:ルーカス・バッカー
出典:LGBTQ News






