英控訴院が職場の性的少数者指引で聴聞開催へ

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2026年10月中旬、英イングランドおよびウェールズ控訴院は、英国の平等人権委員会(EHRC)が策定した暫定指針の適法性をめぐり、当事者3名による控訴許可申請についての口頭聴聞を実施する決定を下した。アンドルーズ裁判官が発した審理命令によると、本聴聞は可能であれば2026年末までに開廷される見通しである。この判断により、職場における単一性別専用施設の運用基準に関する司法判断が上級審で再び精査されることとなった。
問題となっているのは、職場のトイレや更衣室を生物学的性別に基づいて厳格に区分するよう求めたEHRCの暫定指針である。公益法務団体グッド・ロー・プロジェクトの支援を受けた当事者3名は指針の違法性を主張して司法審査を請求したが、2026年2月に高等法院がこの訴えを退ける判決を言い渡していた。原告側は控訴理由書において、原審が職場の衛生基準法規を過度に排除的に解釈し、欧州人権法が定める私生活の尊重や尊厳の保護を適切に考慮しなかったと主張している。
控訴院は今回の命令において、団体としての原告適格については請求を退けたものの、個人原告3名による手続きの続行を正式に認めた。裁判所側は暫定指針が新版の業務規程に置き換えられた可能性を示唆したが、原告側は新規程が公共サービスや諸団体にのみ適用され、労働衛生基準の対象となる職場施設は含まれていないと反論した。団体の権利擁護担当であるジェス・オサムソン氏は、職場において労働者は拒絶しにくい立場に置かれており、当事者を第三の空間へ隔離することはプライバシーと権利の侵害にあたると批判した。
分析によれば、本件は2010年平等法の下で男女の区別規定と性別移行者の保護をどのように調和させるかをめぐる極めて重要な司法判断とみられている。英国内で職場施設の利用ルールを巡る対立が続く中、原告団は国内で救済が得られない場合は欧州人権裁判所への提訴も辞さない構えを示している。今後の審理結果は、全英の企業が策定する就業規則や雇用管理の実務基準に多大な影響を及ぼす可能性がある。
ヨーロッパ編集部:ルーカス・バッカー
出典:英イングランドおよびウェールズ控訴院、英高等法院およびグッド・ロー・プロジェクトの発表を総合
資料出典
英裁判所司法部高等法院判決録(Judgments - Courts and Tribunals Judiciary, [2026] EWHC 279 (Admin)):https://www.judiciary.uk/judgments/
英平等人権委員会単一性別空間に関する公式指針:https://www.equalityhumanrights.com/en/guidance/single-sex-spaces
英国家法令データベース「2010年平等法」:https://www.legislation.gov.uk/ukpga/2010/15/contents






